痛風は、ある日突然、足の親指の付け根などが激痛に襲われる病気ですが、痛風発作が起きる前から身体の中では異変が生じています。それは、血液中の尿酸値が高くなる高尿酸血症です。尿酸はプリン体という物質から作られ、プリン体は体内で生成されるほか食事からも摂取されます。
痛風は圧倒的に男性に多く、食生活も大きく影響するため、食べ過ぎや飲み過ぎの自覚がある男性は特に注意が必要です。
痛風は、高尿酸血症により血液中で増え過ぎた尿酸が結晶化して、関節内に沈着することで発症します。
典型的な症状は、足の親指の付け根などに突然起こる激しい痛みや腫れ、赤みです。
発作は数日から1週間程度で治まることが多いですが、適切な治療を受けずに発作を繰り返すと、関節に結節（コブ）が生じることもあります。さらに、尿路結石や腎機能障害のリスクも高まります。
| 痛風・高尿酸血症の症状 | 痛風・高尿酸血症の合併症 |
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痛風・高尿酸血症になりやすい方には、次のような特徴があります。
高尿酸血症がある（血中尿酸値が7.0mg/dL以上）
肉類、魚卵などプリン体を多く含む食事を好む
ビールや日本酒などのアルコールをよく飲む
肥満気味
水分摂取が少ない
ストレスが溜まっている
運動不足
家族に痛風の人がいる
痛風発作の痛みは「風が吹いても痛い」と表現されるほど、わずかな刺激でも激痛が走ります。多くの場合、足の親指の付け根が赤く腫れて、激しく痛みます。
痛みは数時間から1～2日でピークに達し、その後徐々に軽減しますが、数日から1週間程度続くことが一般的です。
人によっては痛みで歩けなくなったり、布団が触れるだけでも苦痛を感じたりすることもあります。
痛風・高尿酸血症の治療は、食事療法や運動療法が基本です。プリン体の少ない食事を心がけ、適度な有酸素運動で肥満解消をめざします。
すでに痛風発作を起こしている場合や、食事療法や運動療法だけでは改善が難しい高尿酸血症に対しては、それぞれに適した薬物療法を行います。
食事療法で尿酸値を下げる
食事療法を行い、尿酸値の低下をめざします。尿酸値を上昇させるプリン体の摂取を抑えることが重要で、特にレバーや白子、魚卵、ビール・日本酒などのお酒はプリン体が多いため控えるようにします。
代わりに野菜や大豆製品、乳製品を積極的に摂ると、尿酸値の改善が期待できます。また、水分を十分に摂取して尿酸の排出を促すことも大切です。
運動療法で肥満の解消をめざす
食事療法とあわせて、運動療法も効果的です。特にウォーキングや水泳、サイクリングなどの適度な有酸素運動は肥満の解消につながり、尿酸値を安定させる効果があります。
ただし、激しい運動や筋トレなどの無酸素運動は、尿酸値を急上昇させる恐れがあるため避けるようにします。
また、尿酸の排出を促進するため、運動後は十分な水分補給を心がけましょう。
お薬の処方
すでに痛風発作を起こしている場合や、食事療法や運動療法だけでは尿酸値の改善が見られない場合には薬物療法を行います。
発作時には、「非ステロイド性抗炎症薬」や「副腎皮質ステロイド薬」などを使用し、炎症と痛みを抑えます。一方、高尿酸血症の治療では、尿酸の産生を抑える「キサンチンオキシダーゼ阻害薬」や、尿酸の排泄を促す「尿酸排泄促進薬」などを使用します。
健診などで尿酸値が高いと指摘された方、痛風発作を起こしたことがある方、食べ過ぎの自覚がある方は、お気軽に当院へご相談ください。
谷町四丁目駅徒歩2分の「谷四かわい内科クリニック」では、一人一人の症状や生活背景に合わせた治療をご提案しています。
お気軽にご相談ください。
