呼吸器内科
【大阪市の内科】間質性肺炎とは?症状・原因・KL-6検査・治療について呼吸器内科医が解説
「間質性肺炎(かんしつせいはいえん)」という病名を聞いても、どのような病気なのかイメージしにくい方が多いのではないでしょうか。
一般的な肺炎は、細菌やウイルスなどが肺に感染して起こることが多い病気です。一方、間質性肺炎は、主に肺の「間質」と呼ばれる部分に炎症や線維化が起こる病気の総称です。
間質性肺炎が進行すると肺が硬くなり、酸素を体内に取り込みにくくなることがあります。
・痰の少ない咳が長く続いている
・階段や坂道で息切れするようになった
・健康診断の胸部レントゲンで異常を指摘された
・血液検査でKL-6が高いと言われた
このような場合は、呼吸器内科で詳しく調べることが大切です。
今回は、間質性肺炎の症状、原因、検査、KL-6、治療について、患者さんにわかりやすく解説します。
🫁 間質性肺炎とは?
肺の中には、「肺胞(はいほう)」という小さな袋がたくさんあります。
肺胞では、吸い込んだ空気から酸素を血液中に取り込み、血液中の二酸化炭素を外へ出す「ガス交換」が行われています。
肺胞を小さな風船に例えると、間質は風船の壁や、その周囲を支える部分にあたります。
間質性肺炎では、この肺胞の壁や周囲に炎症が起こります。さらに炎症が続くと、傷ついた部分が厚く硬くなる「線維化」が進むことがあります。
肺が硬くなると十分に膨らみにくくなり、肺胞から血液中へ酸素を取り込みにくくなります。その結果、咳や息切れなどの症状が現れます。
日本呼吸器学会では、間質性肺炎のうち、詳しく調べても原因を特定できないものを「特発性間質性肺炎」としています。特発性間質性肺炎には複数の病型があり、その代表的なものが「特発性肺線維症(IPF)」です。
🦠 一般的な肺炎との違い
「間質性肺炎」という名称には「肺炎」と付いていますが、一般的な感染症による肺炎とは、主に炎症が起こる場所や原因が異なります。
一般的な肺炎
一般的な肺炎では、細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染し、主に肺胞の中に炎症が起こります。
発熱、痰を伴う咳、悪寒、胸の痛み、倦怠感などが、比較的急に現れることがあります。
原因となる病原体に応じて、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬などを使い分けます。
間質性肺炎
間質性肺炎では、主に肺胞の壁や周囲の間質に炎症や線維化が起こります。
細菌やウイルスへの感染が直接の原因とは限らず、膠原病、薬剤、カビや鳥などの環境因子、職業上の粉じん、放射線治療など、さまざまな原因があります。
詳しい検査を行っても原因を特定できない場合もあります。
なお、感染症をきっかけに間質性肺炎が悪化することもあり、感染症による肺炎と間質性肺炎を同時に発症する場合もあります。
🔍 間質性肺炎の主な原因
間質性肺炎は一つの病気ではなく、さまざまな原因や病型を含む病気のグループです。
① 原因を特定できないもの
詳しく調べても明らかな原因が見つからないものを、特発性間質性肺炎と呼びます。
特発性間質性肺炎には、次のような複数の病型があります。
・特発性肺線維症(IPF)
・非特異性間質性肺炎(NSIP)
・特発性器質化肺炎
・急性間質性肺炎
・剥離性間質性肺炎
・呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患
・リンパ球性間質性肺炎
・特発性胸膜肺実質線維弾性症(PPFE)など
病型によって、進行の仕方や治療方法が異なります。
特発性間質性肺炎は国の指定難病に含まれていますが、すべての患者さんが医療費助成の対象になるわけではありません。助成を受けるには、診断基準や重症度などの条件を満たす必要があります。
② 膠原病に伴うもの
次のような膠原病に伴って、間質性肺炎が起こることがあります。
・関節リウマチ
・全身性強皮症
・多発性筋炎・皮膚筋炎
・シェーグレン症候群
・全身性エリテマトーデスなど
咳や息切れなどの肺症状が、関節痛や皮膚症状より先に現れる場合もあります。
そのため、間質性肺炎が疑われる場合には、次のような症状がないかも確認します。
・手や指の関節が痛む
・朝に関節がこわばる
・手指が白色や紫色に変化する
・皮膚が硬くなる
・まぶたや手指に発疹がある
・腕や太ももに力が入りにくい
・口や目が乾燥する
膠原病に伴う間質性肺疾患については、日本呼吸器学会と日本リウマチ学会による診断・治療指針も公表されています。
③ 薬剤によるもの
薬が原因となり、薬剤性間質性肺炎を発症することがあります。
原因となり得る薬には、次のようなものがあります。
・抗がん剤
・免疫に作用する薬
・一部の抗菌薬
・抗不整脈薬
・漢方薬
・健康食品やサプリメントなど
新しく飲み始めた薬だけでなく、一定期間使用している薬が関係することもあります。
受診時には、医療機関で処方された薬だけでなく、市販薬、漢方薬、健康食品、サプリメントを含め、現在使用しているものを医師に伝えることが大切です。
ただし、自己判断で薬を中止すると、もともとの病気が悪化する可能性があります。薬剤性間質性肺炎が心配な場合も、まずは処方した医師や呼吸器内科へご相談ください。
④ カビや鳥などの生活環境によるもの
カビ、鳥の羽やふん、加湿器、木材などに含まれる物質を繰り返し吸い込むことで、アレルギー反応による肺の炎症が起こることがあります。
このような病気は「過敏性肺炎」と呼ばれ、慢性化すると肺の線維化が進むことがあります。
診察では、次のような点を確認します。
・鳥を飼っているか
・羽毛布団やダウン製品を使用しているか
・自宅にカビが発生していないか
・加湿器を使用しているか
・自宅や職場にいると症状が悪化しないか
・旅行や入院中に症状が軽くならないか
・農業、木材加工、きのこ栽培などに従事していないか
生活環境や職業に関する情報が、診断の重要な手掛かりになることがあります。
⑤ 粉じんや職業環境によるもの
石綿、シリカ、金属粉、石炭の粉じんなどを長期間吸い込むことで、肺に炎症や線維化が起こることがあります。
現在の仕事だけでなく、過去に従事していた仕事が関係している場合もあります。
建設業、解体業、石材加工、溶接、金属加工などの経験がある方は、受診時に医師へ伝えてください。
⑥ 放射線治療に伴うもの
肺や乳房、食道など、胸部周辺に放射線治療を受けた後に、放射線肺臓炎が起こることがあります。
咳、息切れ、発熱などが現れますが、症状がなく、胸部レントゲンやCTで発見される場合もあります。
日本呼吸器学会によると、放射線によって肺胞や肺血管の細胞が傷つき、間質の炎症や、その修復に伴う線維化が起こると考えられています。
⚠️ 間質性肺炎の主な症状
間質性肺炎はゆっくり進行することがあり、初期には症状が軽く、気づきにくい場合があります。
😷 痰の少ない乾いた咳
間質性肺炎では、痰をあまり伴わない「コンコン」という乾いた咳が続くことがあります。
ただし、乾いた咳は次のような病気でもみられます。
・咳喘息
・気管支喘息
・感染後咳嗽
・胃食道逆流症
・薬剤による咳
・肺がん
・結核など
咳だけで間質性肺炎と判断することはできません。
数週間以上咳が続く場合や、徐々に咳が強くなっている場合には、呼吸器内科で原因を確認することが大切です。
🏃 動いたときの息切れ
間質性肺炎では、初めは安静にしていると症状がなくても、体を動かしたときに息切れを感じることがあります。
例えば、次のような変化がみられます。
・階段を上ると息切れする
・坂道で立ち止まるようになった
・以前と同じ速さで歩けなくなった
・家族や友人について歩けなくなった
・入浴や着替えで息切れするようになった
病気が進行すると、平地を歩くだけでも息苦しくなったり、安静時にも呼吸困難を感じたりすることがあります。
🌡️ 発熱や倦怠感
間質性肺炎の種類によっては、発熱、倦怠感、食欲低下、体重減少などを伴うことがあります。
感染症による肺炎でも同じような症状がみられるため、画像検査や血液検査を組み合わせて判断します。
✋ ばち指
慢性的な肺疾患では、指先が丸く膨らみ、爪の付け根の角度が大きくなる「ばち指」がみられることがあります。
すべての患者さんに現れるわけではありませんが、間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患を疑う手掛かりになります。
🩺 特徴的な呼吸音
間質性肺炎では、聴診器を背中に当てると、「パリパリ」「バリバリ」と表現される細かな音が聞こえることがあります。
これは「捻髪音」や「fine crackles」と呼ばれ、髪の毛を耳元でこすり合わせるような音に例えられます。
🏥 このような場合は呼吸器内科へ
次のような症状や指摘がある場合には、呼吸器内科の受診をご検討ください。
✅ 痰の少ない乾いた咳が数週間以上続いている
✅ 階段や坂道で以前より息切れする
✅ 歩く速度が遅くなった
✅ 健康診断の胸部レントゲンで異常を指摘された
✅ 「間質性陰影」「網状影」「すりガラス影」などを指摘された
✅ 血液検査でKL-6が高いと言われた
✅ 薬を飲み始めてから咳や息苦しさが現れた
✅ 関節痛や皮膚症状とともに咳や息切れがある
✅ 膠原病の治療中に呼吸器症状が出てきた
✅ 鳥、カビ、加湿器、粉じんなどに接する機会が多い
長引く咳や息切れの原因は、間質性肺炎だけではありません。
気管支喘息、咳喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感染症、貧血、心不全などでも同様の症状が起こります。適切な検査を行い、原因を確認することが重要です。
🚑 早めの受診が必要な症状
間質性肺炎では、経過中に呼吸状態が急速に悪化する「急性増悪」が起こることがあります。
次のような症状がある場合は、通常の診療時間を待たず、救急医療機関への相談を含めて速やかに対応してください。
・急に息苦しくなった
・数日から数週間で息切れが明らかに悪化した
・安静にしていても呼吸が苦しい
・会話を続けられないほど息苦しい
・唇や顔色が青紫色になっている
・高熱や強い倦怠感がある
・意識がもうろうとしている
・酸素飽和度が普段より大きく低下している
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、肺炎などが、急性増悪のきっかけになることがあります。
💉間質性肺炎ではどのような検査をする?
間質性肺炎が疑われる場合には、問診や診察に加えて、胸部レントゲン、胸部CT、KL-6などの血液検査、酸素飽和度、呼吸機能検査などを組み合わせて評価します。
日本呼吸器学会でも、胸部CT、呼吸機能検査、運動時の酸素飽和度、気管支鏡検査などを、診断に用いる検査として挙げています。
① 問診
間質性肺炎の診断では、詳しい問診が非常に重要です。
次のような内容を確認します。
・咳や息切れが始まった時期
・症状が進行しているか
・現在使用している薬
・市販薬、漢方薬、サプリメント
・現在および過去の職業
・喫煙歴
・鳥やペットの飼育歴
・羽毛製品の使用
・自宅や職場のカビ
・加湿器の使用
・膠原病を疑う関節や皮膚の症状
・放射線治療歴
・家族に間質性肺炎の人がいるか
薬や環境が原因の場合、患者さんから得られる情報が診断の手掛かりになります。
② 診察・聴診
聴診器を使用し、肺に「パリパリ」「バリバリ」という細かな音がないかを確認します。
また、ばち指、皮膚の発疹、関節の腫れ、筋力低下など、膠原病や慢性呼吸器疾患を疑う所見がないかも確認します。
③ 酸素飽和度の測定
指先にパルスオキシメーターを装着し、血液中の酸素の状態を測定します。
間質性肺炎では、安静にしているときの酸素飽和度が正常でも、歩行や階段昇降によって低下することがあります。
必要に応じて歩行試験などを行い、運動時の酸素飽和度も確認します。
④ 胸部レントゲン検査
胸部レントゲンでは、肺全体に広がる網状の影や、肺の容積が小さくなっていないかなどを確認します。
ただし、初期の間質性肺炎は胸部レントゲンだけでは分かりにくい場合があります。
過去のレントゲン画像がある場合には、以前と比べて変化しているかを確認することも重要です。
⑤ 胸部CT検査
胸部CTは、間質性肺炎を詳しく評価するうえで非常に重要な検査です。
CTでは、次のような点を確認します。
・影が肺のどの部分に広がっているか
・すりガラス影があるか
・網状影があるか
・肺の構造が変形しているか
・蜂巣肺と呼ばれる変化があるか
・気管支の拡張があるか
CT画像の特徴から、間質性肺炎の病型や原因を推測できることがあります。
クリニックで胸部CTが必要と判断した場合には、CT検査が可能な連携医療機関へご紹介します。
⑥ 血液検査
血液検査では、体内の炎症の程度や、間質性肺炎の可能性、原因となる膠原病などを調べます。
🧪 KL-6とは?
間質性肺炎が疑われる場合に測定する代表的な項目の一つが、**KL-6(ケーエル・シックス)**です。
KL-6は、主に肺胞の表面を覆う「Ⅱ型肺胞上皮細胞」と呼ばれる細胞などで作られる物質です。
間質性肺炎によって肺胞の壁が傷ついたり、肺の細胞による修復反応が活発になったりすると、血液中のKL-6が高くなることがあります。
KL-6は、主に次のような目的で測定します。
・間質性肺炎の診断を補助する
・病気の活動性を評価する
・時間の経過による数値の変化を確認する
・治療前後の変化を確認する
⚠️ KL-6が高いだけで間質性肺炎とは限りません
KL-6は間質性肺炎を調べるうえで有用な血液検査ですが、KL-6が高いという結果だけで、間質性肺炎と確定することはできません。
反対に、間質性肺炎があっても、病型や病気の時期によってはKL-6があまり上昇しないことがあります。
そのため、KL-6の数値だけを見るのではなく、次のような情報を合わせて総合的に判断します。
・咳や息切れなどの症状
・聴診所見
・胸部レントゲン
・胸部CT
・酸素飽和度
・呼吸機能検査
・KL-6の経時的な変化
「KL-6が高い=間質性肺炎」「KL-6が正常=間質性肺炎ではない」と単純に判断することはできません。
🔬 KL-6以外の血液検査
必要に応じて、次のような項目も確認します。
・SP-D、SP-A:肺胞上皮の障害を評価する補助的なマーカー
・CRP、白血球数:炎症や感染症の有無を確認する検査
・LDH:肺を含む組織の障害で上昇することがある項目
・自己抗体:膠原病に伴う間質性肺炎の可能性を調べる検査
・肝機能・腎機能:全身状態や治療薬の安全性を確認する検査
血液検査だけで間質性肺炎の病型や原因を確定することは難しいため、胸部CTなどの画像検査と組み合わせて判断します。
⑦ 呼吸機能検査
呼吸機能検査では、大きく息を吸ったり吐いたりして、肺活量などを測定します。
間質性肺炎によって肺が硬くなると、十分な量の空気を吸い込みにくくなり、肺活量が低下することがあります。
また、肺から血液へ酸素を取り込む能力を評価する「肺拡散能」を測定することもあります。
定期的に呼吸機能検査を行うことで、病気の進行や治療効果を確認します。
⑧ 気管支鏡検査・肺組織検査
病型や原因を詳しく調べる必要がある場合には、気管支鏡検査を行うことがあります。
気管支鏡を使用して肺の一部を洗浄し、回収した液体に含まれる細胞を調べる「気管支肺胞洗浄」や、肺の組織を採取する検査などがあります。
すべての患者さんに必要な検査ではありません。
年齢、症状、胸部CT所見、合併症、検査による負担などを総合的に考慮し、必要性を判断します。
日本呼吸器学会も、病状に応じて気管支鏡による洗浄検査や組織採取などを行うとしています。
💊 間質性肺炎の治療
間質性肺炎の治療は、原因、病型、進行の速さ、症状、肺機能などによって異なります。
すべての間質性肺炎に同じ薬を使用するわけではありません。まず、原因や病型をできる限り明らかにすることが重要です。
① 原因となる薬や環境を見直す
薬剤性間質性肺炎が疑われる場合には、医師の判断で原因と考えられる薬の中止や変更を検討します。
カビ、鳥、粉じんなどが関係している場合には、原因となる環境から離れることや、住居・職場環境を改善することが治療の中心になる場合があります。
原因への接触が続くと、肺の炎症や線維化が進行する可能性があります。
② ステロイド薬
炎症が中心となっている間質性肺炎では、炎症を抑えるためにステロイド薬を使用することがあります。
ただし、間質性肺炎の病型によっては、ステロイド薬が十分に効かない場合や、基本的な治療として使用しない場合があります。
特に特発性肺線維症では、慢性期の治療としてステロイド薬を単独で使用することは一般的ではありません。
③ 免疫抑制薬
膠原病に伴う間質性肺炎などでは、ステロイド薬に加えて免疫抑制薬を使用することがあります。
薬の効果だけでなく、感染症、肝機能・腎機能障害、血球減少などの副作用にも注意しながら治療します。
④ 抗線維化薬
特発性肺線維症など、肺の線維化が進行するタイプでは、抗線維化薬を使用することがあります。
代表的な薬は次のとおりです。
・ピルフェニドン
・ニンテダニブ
これらは、すでに硬くなった肺を元どおりにする薬ではありません。
肺の線維化が進む速度を遅らせ、肺機能の低下を抑えることが治療の目的です。
日本呼吸器学会では、特発性肺線維症に対して、慢性的な進行を遅らせるためにピルフェニドンやニンテダニブを使用すると説明しています。病型によっては、線維化が進行した場合にニンテダニブを検討することもあります。
⑤ 在宅酸素療法
病気が進行して血液中の酸素が不足する場合には、在宅酸素療法を行うことがあります。
自宅や外出時に酸素を吸入することで、低酸素状態を改善し、心臓や全身への負担を軽減することを目指します。
酸素の使用量や使用時間は、安静時や歩行時、睡眠時の酸素状態を確認したうえで決定します。
⑥ 呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリテーションでは、病状に合わせた運動、呼吸法、栄養管理などを行います。
息切れがあると体を動かさなくなり、筋力や体力が低下して、さらに息切れしやすくなることがあります。
無理のない範囲で体力を維持し、日常生活を送りやすくすることが目的です。
ただし、病状に合わない運動は負担になる可能性があるため、医師や専門スタッフと相談しながら行うことが大切です。
⑦ 肺移植
年齢や病状などの条件によっては、進行した間質性肺炎に対して肺移植が検討されることがあります。
肺移植を検討する場合には、専門医療機関で詳しい評価が必要です。
📅 症状が軽くても定期的な経過観察が大切です
間質性肺炎の経過は、原因や病型によって大きく異なります。
・治療によって改善するもの
・原因を避けることで安定するもの
・長期間ほとんど変化しないもの
・ゆっくり進行するもの
・短期間で悪化するもの
などがあります。
症状が軽く、すぐに薬物治療を開始しない場合でも、定期的に次のような項目を確認します。
・咳や息切れの変化
・歩ける距離や日常生活の変化
・酸素飽和度
・胸部レントゲンやCTの変化
・呼吸機能の変化
・KL-6などの血液検査の変化
・体重や食欲の変化
KL-6についても、1回の数値だけではなく、時間の経過とともに上昇しているか、低下しているかを確認することがあります。
症状がなくても、自己判断で通院を中断しないことが大切です。
💉 日常生活で気をつけること
🚭 禁煙する
喫煙は肺に負担をかけます。
喫煙している方には禁煙が推奨されます。また、受動喫煙もできるだけ避けましょう。
🧼 感染症を予防する
風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、肺炎などをきっかけに、間質性肺炎が急激に悪化する場合があります。
・手洗い
・必要に応じたマスクの着用
・人混みを避ける
・十分な睡眠と栄養をとる
など、基本的な感染対策を心がけましょう。
年齢や病状、使用している薬に応じて、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、新型コロナワクチンなどを検討します。
日本呼吸器学会も、感染症をきっかけとした急性増悪を防ぐため、日常の感染対策やワクチン接種を推奨しています。
💊 薬を自己判断で変更しない
薬剤性間質性肺炎が心配でも、処方薬を自己判断で中止しないでください。
薬を中止する危険性と継続する危険性を医師が比較し、必要に応じて中止や変更を判断します。
🏃 無理をしすぎない
息切れがある場合は、無理に動き続けず、適度に休憩を取りましょう。
一方で、必要以上に安静にすると筋力や体力が低下する可能性があります。どの程度の運動が適切かは、病状や酸素状態によって異なるため、担当医に確認してください。
📝 症状の変化を記録する
次のような変化は、病状を評価するうえで重要です。
・咳が増えた
・階段が以前よりつらくなった
・歩く速度が遅くなった
・休憩する回数が増えた
・体重が減った
・食欲が低下した
・酸素飽和度が低下した
診察時には、「息苦しい」という表現だけでなく、どのような動作が難しくなったのかを具体的に伝えましょう。
❓ 間質性肺炎についてよくあるご質問
Q.間質性肺炎は人にうつりますか?
間質性肺炎そのものは、基本的に人から人へうつる病気ではありません。
ただし、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などを合併している場合には、その感染症が他の人にうつる可能性があります。
Q.間質性肺炎は必ず進行しますか?
必ず進行するとは限りません。
治療によって改善するもの、原因への接触を避けることで安定するもの、長期間ほとんど変化しないもの、徐々に進行するものなど、病型によって経過が異なります。
間質性肺炎と診断された場合は、自分がどの病型に当てはまるのか、治療が必要なのかを担当医に確認することが大切です。
Q.KL-6が高いと言われました。間質性肺炎ですか?
KL-6が高いだけで、間質性肺炎と確定することはできません。
KL-6は間質性肺炎の診断や経過観察に役立つ補助的な血液検査ですが、間質性肺炎以外でも上昇することがあります。
また、間質性肺炎があっても、病型によってはKL-6があまり上昇しない場合があります。
長引く咳や息切れがある場合や、胸部レントゲンで異常を指摘されている場合には、呼吸器内科で画像検査を含めた評価を受けることが大切です。
Q.KL-6が正常なら間質性肺炎ではありませんか?
KL-6が正常でも、間質性肺炎を完全に否定することはできません。
KL-6の上がり方は病型や病気の時期によって異なります。症状、聴診、胸部レントゲン、胸部CT、呼吸機能検査などを総合して判断します。
Q.間質性肺炎は肺がんですか?
間質性肺炎と肺がんは別の病気です。
ただし、一部の間質性肺炎では肺がんを合併することがあるため、病状に応じて定期的な画像検査を行うことがあります。
Q.健康診断で間質性肺炎の疑いを指摘されました。症状がなくても受診した方がよいですか?
症状がなくても、一度は呼吸器内科で詳しい評価を受けることをおすすめします。
過去に撮影した胸部レントゲンやCTがある場合には、画像の変化を比較するために役立ちます。健康診断の結果と一緒にご持参ください。
Q.間質性肺炎は治りますか?
原因や病型によって異なります。
炎症が中心の間質性肺炎では、原因を取り除いたり、ステロイド薬などで治療したりすることで改善する場合があります。
一方、肺の線維化が進んだ部分は、完全には元に戻らないことがあります。この場合は、病気の進行をできるだけ抑え、呼吸機能を維持することが治療の目標となります。
🏥 長引く咳や息切れ、KL-6高値は呼吸器内科へ
間質性肺炎は、肺胞の壁やその周囲に炎症や線維化が起こり、肺が硬くなる病気の総称です。
初期には症状がほとんどないこともありますが、代表的な症状として、痰の少ない乾いた咳や、体を動かしたときの息切れがあります。
血液検査のKL-6は、間質性肺炎の診断や経過観察に役立つ項目ですが、KL-6だけで診断することはできません。
間質性肺炎の診断では、症状や経過、胸部レントゲン、胸部CT、酸素飽和度、呼吸機能検査、KL-6などの血液検査を総合的に評価することが重要です。
また、長引く咳や息切れの原因は、間質性肺炎だけではありません。
・咳喘息
・気管支喘息
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・感染症
・肺がん
・心不全
・貧血
など、さまざまな病気を区別する必要があります。
谷四かわい内科クリニックでは、呼吸器内科専門医が症状や経過を詳しく確認し、胸部レントゲン、血液検査、酸素飽和度測定など、必要な検査を行います。
胸部CT、呼吸機能検査、気管支鏡検査、専門的な治療が必要と判断した場合には、連携する医療機関へご紹介します。
大阪市中央区・谷町四丁目周辺で、
・長引く咳がある
・階段や歩行時の息切れがある
・健康診断の胸部レントゲンで異常を指摘された
・血液検査でKL-6が高いと言われた
・間質性肺炎や肺線維症について相談したい
という方は、呼吸器内科へご相談ください。
大阪市中央区の「谷四かわい内科クリニック」は、大阪メトロ「谷町四丁目」駅6番出口から徒歩2分、谷町六丁目駅から徒歩10分、天満橋駅から徒歩12分のところにあり、電車でのご来院が便利です。
お車でご来院の方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。

