生活習慣病

【大阪市の内科】脂質異常症とは?|コレステロール目標値と薬物治療

皆さん、こんにちは。大阪市中央区の内科「谷四かわい内科クリニック」です。


今回は脂質異常症のガイドラインに基づくコレステロール目標値と薬物治療について解説します。

なぜ脂質異常症を治療するのか?

脂質異常症は自覚症状がほとんどありません。しかし、LDLコレステロール(悪玉)が高い状態が続くと血管内にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が進行します。

その結果、

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 脳梗塞

といった命に関わる疾患のリスクが上昇します。

つまり脂質異常症は「静かに進行する動脈硬化の原因」です。

動脈硬化性疾患予防ガイドラインのリスク分類と目標値

日本の動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、将来の心血管リスクに応じてLDLコレステロールの目標値を設定しています。

① 一次予防(まだ心血管イベントを起こしていない方)

■ 低リスク

LDL目標値:<160 mg/dL

■ 中リスク

LDL目標値:<140 mg/dL

■ 高リスク

LDL目標値:<120 mg/dL

LDL目標値:<100 mg/dL(糖尿病での細小血管症合併や喫煙ありの場合)

② 二次予防(心筋梗塞・狭心症・脳梗塞の既往あり)

LDL目標値:<100 mg/dL

さらに

  • 糖尿病合併
  • 多枝冠動脈疾患
  • 再発例

などの超高リスクでは
<70 mg/dL を目標。

コレステロールを下げる薬

■ スタチン(第一選択)

最もエビデンスが確立した薬です。
LDLを強力に低下させ、心血管イベントを減少させます。

スタチンの副作用:横紋筋融解症とは?

横紋筋融解症とは、筋肉が壊れ、筋肉成分(ミオグロビンなど)が血液中に漏れ出す状態です。

発生頻度

  • 重篤な横紋筋融解症は 約0.01%未満(1万人に1人未満)程度とされていますが、詳細な頻度は不明です。
  • 軽度の筋肉痛やCK上昇はもう少し頻度が高いですが、多くは可逆的です。

なぜ注意が必要か?

壊れた筋肉成分が腎臓に負担をかけ、急性腎障害を引き起こす可能性があるためです。

注意すべき症状

  • 強い筋肉痛
  • 筋力低下
  • 赤褐色尿
  • 強い倦怠感

これらがあればすぐに受診が必要です。

高齢者、腎機能低下、他薬との相互作用がある場合は特に注意します。

■ エゼチミブ

  • 小腸からのコレステロール吸収を抑える薬
  • スタチンと併用されることが多い

■新しい選択肢:ネクセトール

ネクセトール(ベンペド酸)は2025年11月発売の新規経口脂質低下薬です。

特徴

  • 肝臓でのみ活性化
  • 筋肉では活性化されにくい
  • スタチン不耐の方への新たな選択肢

LDLを追加で低下させる効果が期待されています。

中性脂肪を下げる薬

中性脂肪が著明高値(特に500mg/dL以上)の場合は膵炎予防の観点からも治療が重要です。

■ フィブラート系

  • 中性脂肪を低下
  • HDL(善玉)を増やす効果

■ EPA製剤(高度精製魚油)

  • 中性脂肪低下
  • 動脈硬化抑制作用
  • 心血管イベント抑制効果の報告あり

■ SPPARMα(ペマフィブラートなど)

  • 新しいタイプの中性脂肪改善薬
  • 副作用軽減が期待

まとめ

脂質異常症の治療は、単に数値を下げることが目的ではありません。
将来の心筋梗塞・脳梗塞を防ぐことが最大の目的です。

ガイドラインに基づくリスク評価を行い、

  • 生活習慣改善
  • 適切な薬物治療
  • 副作用への注意

をバランスよく行うことが大切です。

健康診断でコレステロールを指摘された方は、症状がなくても一度ご相談ください。
一人ひとりのリスクに応じた最適な治療をご提案いたします。

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